医療法人社団 親樹会 恵泉クリニック

機能強化型在宅療養支援診療所

TEL:03-3326-5408/診療時間:00:00~00:00

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院長ブログ

第3回 小児在宅医療への想い

救急医療はその扱う範囲が多岐にわたることもあり、いろいろな勉強会が盛んに行われています。また、救急領域では以前から標準化教育が進んでいます。これはどの地域でも、どんな医療従事者が専門領域に関わらず、どのような患者さんに対しても同じように対応するために必要とされた結果だと思 います。私も一次救命処置(BLS)、二次救命処置(ACLS)だけでなく、小児二次救命処置(PALS)もAHA(アメリカ心臓協会)のコースを受講してインストラクターになり、さらに救急医学会のICLSや内科学会のJMECC等のインストラクター、ディレクター等で関わってきました。その領域や指導法について勉強できることはもちろんですが、多くの人々と知り合うことができました。最近では、在宅医療リーダー研修や緩和医療研修会等も受講して勉強してきました。いずれもその分野が系統的に勉強、復習できましたので、早速翌日からすぐに実践しています。
小児医療に関しては、小児は小さな大人ではない、という教育を受けて、また、私が接してきた小児救急では、その取り巻く環境から、成人とは違う苦手意識、何となくですが、がありました。救命救急センターで経験してきた小児医療は、外傷(特に頭部)、窒息、心肺停止等の重症ですが、いずれも成人と同様に対応してきました。その頃前述したPALSを習った成育医療センターの小児の救急や集中治療の先生方から子供の救急も小さな大人と考えて対応してください、といわれたときにとても自信がついたことを覚えています。
先日も東京都主催の小児在宅医療の講習会に出席して小児在宅医療の必要性と実際を伺うことができました。担い手も少ないということです。これからは今までの経験を元にさらに勉強して、また小児救急、集中治療の専門家である友人たちにも手伝ってもらいながら、積極的に小児の在宅医療に取り組んでいきたいと考えています。

第2回 診療の合間

診療でご自宅に訪問すると、その方の今まで、今の生活とともに医療があることを実感します。病院や外来ではわからないその方の大事な今があります。医療は大事なその今を支えるためにあるんだなあと思います。なかでもペットは生活に重要な要素だと思います。まりちゃんとのショットは私の日々の診療での一番の癒しです。

写真:診療の合間

第1回 在宅医療と救急医療について

在宅医療と救急医療は、もっとも遠いようにところにあると思われる方も多いかもしれませんが、実はとても近い関係にあります。
救急医療は119番通報で救急隊員、救急救命士が現場に赴き、応急処置や救命救急処置等の救護(病院前救護)を行い、救急病院へ搬送することは一般的に知られていますが、これに加え、ドクターカー、ドクターヘリコプターにより医師・看護師が現場に赴き、その現場から救急医療が行われています。これは病院前医療といわれテレビドラマでご覧になった方も多いと思います。
訪問在宅診療や訪問看護も医師や看護師がご自宅に伺って医療を行いますので、まずは、病院の前あるいは医療機関以外に行なわれる医療(病院前医療)という意味で両者は似ています。
このような形態だけでなく、内容についても共通点があります。以下に整理してみます。


  1. 病院では循環器科・消化器科等の病気や臓器によって専門の医師が対応しますが、在宅医療・救急医療ともに臓器に関わらず全身を診て総合的に判断することが求められます。
  2. 救急医療は内科、外科問わず広く急病に対応することは知られていますが、在宅医療では、内科的な知識や考え方はもちろんですが、骨折の初期対応、床ずれの処置、胃ろう・カテーテルなどの処置・管理などの外科的な技術も求められます。
  3. 病気やけがは身体にかかる侵襲(ダメージ)とそれに対する生体反応とのバランスでいろいろな症状が出ます。高齢患者では加齢というダメージが長い時間をかけて、救急患者では短い時間で身体にかかった結果、いろいろなことが起こります。つまり、背景にある学術的要素はとても似ています。
  4. 両者とも病気だけでなく、生活や心のサポート、本人にはもとより家族への援助も重要な役割です。
  5. 両者とも終末期医療や看取りを経験することが多く、見通しの良くない病状経過を伝えることが多いのが特徴です。そのため、これらに関わる医療関係者はこれらの問題について日頃から高い関心を持って考えています。
  6. どちらも医療者だけで行う医療ではありません。関連職種や社会との接点が多いため、周囲とのコミュニケーションを重視し、患者様やご家族の方を中心にチーム全体で医療を進めて行きます。

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