医療法人社団 親樹会 恵泉クリニック

機能強化型在宅療養支援診療所

TEL:03-3326-5408/診療時間:00:00~00:00

  • 文字サイズ
  • 標準
  • 大
  • HOME >
  • 院長ブログ

院長ブログ

《太田院長のつぶやき》世田谷区の地区包括ケア会議に出席しました。

世田谷区の地区包括ケア会議に出席しました。

緩和ケアの話題でした。その人が大事にしたいことを聞く、最期までその人らしく生活できるように、精一杯生きるために支援する、などのお話を伺い、地域での緩和ケアはみんなで取り組む大切さとともに、実際に取り組んでいらっしゃる地域の多職種の皆さんのパワーアップを再認識しました。

グループワークでは、自分をわかってくれる人がいる、大切にされていると思える支援とは、というテーマでしたが、私が心がけていることといえば、握手する、何か気になることがあればすぐ、ケアマネジャーに担当者会議をお願いする、ことでしょうか。担当者会議の際に患者さんやご家族を囲んでみんなで写真を撮って、連絡先とともにお部屋に飾るのもいいかなあ、と思いました。

これから、地域緩和ケアチーム作り、に取り組んでみようと思います。

帰りの道すがら老婆心切という言葉を目にしました。

今週末は、癌と循環器の勉強会(http://www.c-linkage.co.jp/onco-cardiology2018/program.html)、日本在宅救急研究会(http://zaitakukyukyu.com/)、来週は日本救急医学会です。

太田祥一

第8回 患者様宅でのお誕生日記念

“お誕生日おめでとうございます。”
こちらのお宅ではご夫婦を拝見させていただいているのですが、そのご夫婦のお誕生日がなんと一日違い!
お二人そろって歳を重ねられるというおめでたい時に立ち会い、思わず記念写真をお願いしてしまいました。
お二人とも素敵な笑顔です。多くの方がこのように笑顔で過ごされるよう、寄り添って行きたいと思います。

第7回 AED解禁から10年経ちました

何気なく新聞を見たところ、自動体外式除細動器が一般市民も使用できるようになって10年が経つ、という記事を目にしました。
AEDを用いた心肺蘇生法については、医師、看護師から、コメディカル、スポーツ指導者や愛好者、等たくさんの方々にお話ししてきました。

駅などの公共の場にAEDが設置されているのはもはや当たり前の光景になってきました。これを公共の場所で一般の方が使用できるAEDという意味でPAD(Public Access Difibrillation)といいます。日本のPADは欧米より遅れて始まりましたが、その有用性は国際的にも認められています(Tetsuhisa Kitamura, et al: Nationwide Public-Access Defibrillation in Japan. N Engl J Med 362.2010,994-1004.)。
新聞によると、設置数が増えても、一般市民の使用率は3.7%(2012年)に過ぎないそうです。AEDで除細動された人々の1か月後の生存率が41.4%に上がっています。半数近くが生存されているというのはとてもすごい数字だと思います。一方で、現場で除細動されなかった人たちの1か月後の生存率は10.3%と低く、誰でもどこでもAEDを使える社会になってほしいものです。

AEDの普及には今までもいろいろな試みがされていますので、そのいくつかをご紹介しましょう。
救急医療財団では講習の認定AED設置場所の公開をしています。
講習も全国の消防署や日本赤十字社はもちろん、自動車免許取得時にも広く行われていますが、最近では自宅でDVDを見ながら人形を用いて実技も学べる自己学習キットも販売されています。私自身は、「サカイク」というサッカー少年向けのHPでスポーツ中に起こりやすい心臓震盪やAEDについてお話ししたり、キッザニアの病院パビリオンでのAEDを用いたアクティビティーのお手伝いをしています。

サカイクについての資料はこちら
キッザニア東京 期間限定「救急塾」イベントについての資料はこちら

また、AEDはレンタルすることもできます。その状況を調査すると、海水浴場やプール、マラソン大会等の季節的なテンポラリーなイベントで使われていました。このような使い方も有効だと思います(Shoichi Ohta et al: How, when, and where have rental automated external defibrillators been used in Japan. Journal of Cardiology 64.2014,117-120.)。
2020年の東京オリンピックに向けて、いざという時には誰でもどこでもAEDを用いた心肺蘇生ができるようになることが、一番のおもてなしではないかと思っています。

第6回 医療介護と地域

これからの医療介護は地域が中心となって進められています(地域包括ケアシステム)。核家族化、高齢化が進んでいるなかで、地域、コミュニティーの重要性が再認識され、それを大事にする時代が来ていると思います。この体制のなかでの救急医療を考える特集を担当しいろいろと勉強しました。具体的にどのようにコミュニティーを作っていくかは私の災害医療での研究テーマでもあり、いろいろなところで地域、コミュニティーが繋がっていけば良いと思います。

第5回 二つの訓練に参加

新宿区の災害医療訓練、東京都と杉並区の総合防災訓練に参加してきました。
都の防災計画変更に伴い、区の計画も変更され、いろいろなところで訓練が行われています。このような訓練は自治体だけでなく企業や町内会単位でも行われているようです。9月、10月には医師会、歯科医師会の先生方や看護協会のトリアージ研修会の予定があります。このように街の人々も医療従事者も災害対策に熱心に取り組んでいらっしゃいます。
地震などの災害発生超急性期には多くの傷病者が発生する可能性があります。けがをした人々は区があらかじめ決めている緊急医療救護所に行くことになっています。この緊急医療救護所は、都があらかじめ決めている災害拠点病院の近くに設置されます。そこには地区医師会の先生を中心とした医療救護班が駆けつけ、トリアージ、応急処置等が行われます。このトリアージで緊急性が高いと判断された方は災害拠点病院に搬送されます。
トリアージは災害時のとても少ない医療資源に対して、とても多くの傷病者(けが人、病人)に対応する際に、より多くの人が助かるように、つまり最大多数の最大幸福を得るために行なわれます。これをスムーズに進めるためには多くの人の理解と協力が必要です。
新宿区の訓練は実際に緊急医療救護所が設置される小学校で行われました。地域の方々が参加して医療救護所がどこにできるのか、そこで行われるトリアージとはどういうものなのかを熱心に勉強されていました。
皆さん、是非、最寄りの緊急医療救護所を調べてみてください。そして訓練があれば是非参加してみてください。大災害時には自助、共助、公助が必要とされていますが、自分自身や家族を守る応急手当を学んでおけば、救護所でボランティアとしても活躍できると思います。このように地域の人々の力が結集されればきっと多くの命が助かるでしょう。この地域の力は災害時だけでなくこれからの時代、社会にはとても大事だと思います。私ももう一度地域を見直し、地域に自分が何ができるのか、を考えてみたいと思います。

第4回 まだまだ勉強

在宅医療リーダー研修、緩和医療研修会、小児在宅医療研修会等の勉強会に行ってきました。いずれも医師会、厚労省、都が関わっている勉強会なので、その領域のエッセンスを系統的に勉強できることはもちろんですが、その領域の第一人者やこれから目指そうとしている方々と交流できるのもとても有意義です。これからはエビデンスを蓄積して在宅医療の標準的な診療ガイドラインとそれに基づいた教育が進めば良いと思います。今週末は認知症サポート医養成研修です。まだまだ勉強することがたくさんあります。

第3回 小児在宅医療への想い

救急医療はその扱う範囲が多岐にわたることもあり、いろいろな勉強会が盛んに行われています。また、救急領域では以前から標準化教育が進んでいます。これはどの地域でも、どんな医療従事者が専門領域に関わらず、どのような患者さんに対しても同じように対応するために必要とされた結果だと思 います。私も一次救命処置(BLS)、二次救命処置(ACLS)だけでなく、小児二次救命処置(PALS)もAHA(アメリカ心臓協会)のコースを受講してインストラクターになり、さらに救急医学会のICLSや内科学会のJMECC等のインストラクター、ディレクター等で関わってきました。その領域や指導法について勉強できることはもちろんですが、多くの人々と知り合うことができました。最近では、在宅医療リーダー研修や緩和医療研修会等も受講して勉強してきました。いずれもその分野が系統的に勉強、復習できましたので、早速翌日からすぐに実践しています。
小児医療に関しては、小児は小さな大人ではない、という教育を受けて、また、私が接してきた小児救急では、その取り巻く環境から、成人とは違う苦手意識、何となくですが、がありました。救命救急センターで経験してきた小児医療は、外傷(特に頭部)、窒息、心肺停止等の重症ですが、いずれも成人と同様に対応してきました。その頃前述したPALSを習った成育医療センターの小児の救急や集中治療の先生方から子供の救急も小さな大人と考えて対応してください、といわれたときにとても自信がついたことを覚えています。
先日も東京都主催の小児在宅医療の講習会に出席して小児在宅医療の必要性と実際を伺うことができました。担い手も少ないということです。これからは今までの経験を元にさらに勉強して、また小児救急、集中治療の専門家である友人たちにも手伝ってもらいながら、積極的に小児の在宅医療に取り組んでいきたいと考えています。

第2回 診療の合間

診療でご自宅に訪問すると、その方の今まで、今の生活とともに医療があることを実感します。病院や外来ではわからないその方の大事な今があります。医療は大事なその今を支えるためにあるんだなあと思います。なかでもペットは生活に重要な要素だと思います。まりちゃんとのショットは私の日々の診療での一番の癒しです。

写真:診療の合間

第1回 在宅医療と救急医療について

在宅医療と救急医療は、もっとも遠いようにところにあると思われる方も多いかもしれませんが、実はとても近い関係にあります。
救急医療は119番通報で救急隊員、救急救命士が現場に赴き、応急処置や救命救急処置等の救護(病院前救護)を行い、救急病院へ搬送することは一般的に知られていますが、これに加え、ドクターカー、ドクターヘリコプターにより医師・看護師が現場に赴き、その現場から救急医療が行われています。これは病院前医療といわれテレビドラマでご覧になった方も多いと思います。
訪問在宅診療や訪問看護も医師や看護師がご自宅に伺って医療を行いますので、まずは、病院の前あるいは医療機関以外に行なわれる医療(病院前医療)という意味で両者は似ています。
このような形態だけでなく、内容についても共通点があります。以下に整理してみます。


  1. 病院では循環器科・消化器科等の病気や臓器によって専門の医師が対応しますが、在宅医療・救急医療ともに臓器に関わらず全身を診て総合的に判断することが求められます。
  2. 救急医療は内科、外科問わず広く急病に対応することは知られていますが、在宅医療では、内科的な知識や考え方はもちろんですが、骨折の初期対応、床ずれの処置、胃ろう・カテーテルなどの処置・管理などの外科的な技術も求められます。
  3. 病気やけがは身体にかかる侵襲(ダメージ)とそれに対する生体反応とのバランスでいろいろな症状が出ます。高齢患者では加齢というダメージが長い時間をかけて、救急患者では短い時間で身体にかかった結果、いろいろなことが起こります。つまり、背景にある学術的要素はとても似ています。
  4. 両者とも病気だけでなく、生活や心のサポート、本人にはもとより家族への援助も重要な役割です。
  5. 両者とも終末期医療や看取りを経験することが多く、見通しの良くない病状経過を伝えることが多いのが特徴です。そのため、これらに関わる医療関係者はこれらの問題について日頃から高い関心を持って考えています。
  6. どちらも医療者だけで行う医療ではありません。関連職種や社会との接点が多いため、周囲とのコミュニケーションを重視し、患者様やご家族の方を中心にチーム全体で医療を進めて行きます。

2 / 212

ページの先頭へ戻る