医療法人社団 親樹会 恵泉クリニック

機能強化型在宅療養支援診療所

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院長ブログ

第7回 AED解禁から10年経ちました

何気なく新聞を見たところ、自動体外式除細動器が一般市民も使用できるようになって10年が経つ、という記事を目にしました。
AEDを用いた心肺蘇生法については、医師、看護師から、コメディカル、スポーツ指導者や愛好者、等たくさんの方々にお話ししてきました。

駅などの公共の場にAEDが設置されているのはもはや当たり前の光景になってきました。これを公共の場所で一般の方が使用できるAEDという意味でPAD(Public Access Difibrillation)といいます。日本のPADは欧米より遅れて始まりましたが、その有用性は国際的にも認められています(Tetsuhisa Kitamura, et al: Nationwide Public-Access Defibrillation in Japan. N Engl J Med 362.2010,994-1004.)。
新聞によると、設置数が増えても、一般市民の使用率は3.7%(2012年)に過ぎないそうです。AEDで除細動された人々の1か月後の生存率が41.4%に上がっています。半数近くが生存されているというのはとてもすごい数字だと思います。一方で、現場で除細動されなかった人たちの1か月後の生存率は10.3%と低く、誰でもどこでもAEDを使える社会になってほしいものです。

AEDの普及には今までもいろいろな試みがされていますので、そのいくつかをご紹介しましょう。
救急医療財団では講習の認定AED設置場所の公開をしています。
講習も全国の消防署や日本赤十字社はもちろん、自動車免許取得時にも広く行われていますが、最近では自宅でDVDを見ながら人形を用いて実技も学べる自己学習キットも販売されています。私自身は、「サカイク」というサッカー少年向けのHPでスポーツ中に起こりやすい心臓震盪やAEDについてお話ししたり、キッザニアの病院パビリオンでのAEDを用いたアクティビティーのお手伝いをしています。

サカイクについての資料はこちら
キッザニア東京 期間限定「救急塾」イベントについての資料はこちら

また、AEDはレンタルすることもできます。その状況を調査すると、海水浴場やプール、マラソン大会等の季節的なテンポラリーなイベントで使われていました。このような使い方も有効だと思います(Shoichi Ohta et al: How, when, and where have rental automated external defibrillators been used in Japan. Journal of Cardiology 64.2014,117-120.)。
2020年の東京オリンピックに向けて、いざという時には誰でもどこでもAEDを用いた心肺蘇生ができるようになることが、一番のおもてなしではないかと思っています。

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