医療法人社団 親樹会 恵泉クリニック

機能強化型在宅療養支援診療所

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院長ブログ

《太田院長のつぶやき》災害拠点病院の訓練に参加しました。

災害拠点病院の訓練に参加しました。

土曜日にも関わらず、院内はもちろん、院外からも多くの方々が参加され、災害時の医療についての関心が高まっていることを感じます。災害時の医療の最大の目的は、もちろん多くの人を救う、もっというと、防げる災害による死亡はなくす、ということで、そのために、集まった多くの人々、医療従事者に関わらず、が力を合わせます。

災害時の医療を勉強すると、その最初に、最も重要なことは、CSCAと、呪文のようなアルファベットを習います。そのなかでも、最初のCはコマンドアンドコントロールと言い、指揮命令系統を確立して遵守することとされています。混乱した発災当初の医療活動では、医療資源も少ないので、より多くの人を助けるためには、より効率的に機能することが大切です。そのためにそこを指揮するリーダーを決めて、そのリーダーがその場を統括して、そのリーダーを中心に機能する、ことが必要とされています。普段の生活や仕事ではあまり意識しませんが、本来は長と名の付く人の指揮命令下で仕事をしているはずです。本当のリーダーなら遠くから見ていてもわかりそうですし、そのもとで機能する人々も、リーダーを見つけようとしますし、どんなことも報告して指示を仰ぐ、リーダーはさらに上位のリーダーに報告して指示を仰ぐことで全体の効率化が図られ、全体がより機能的に動く、ということになります。普段から少し意識してみることで振る舞いが変わるかもしれません。また、訓練を企画される方は参加者への気配り、参加される方もそれぞれが楽しんで、訓練を企画された方の想いを汲み取り意見を言う、という相互関係からいざというときに役立つ、顔の見える関係ができるのではないか、と思います。

さらに勉強したい方は是非、http://www.disaster-medutainment.jp/をご覧になってください。無料です。

11月24日(土) 至誠会世田谷保健所合同緊急医療救護所訓練

12月8日(土) 都立松沢病院平成30年度総合防災訓練

《太田院長のつぶやき》「JTASとは?」

JTAS(Japanese Triage and Acuity Scale;ジェータス)コースに医師アドバイザーとして参加しました(https://jsem.me/training/ctas/learn.html)。このコースは臨床救急医学会、救急看護学会が中心となって普及しています。トリアージというと災害のときの特殊なもの、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

JTASとは、救急外来でより急を要する患者さんを早く見つけ出して、より早く治療に結びつけるために行うトリアージ:緊急度を判定することを支援するシステムです。ですから、救急病院ではいつも普通に行われていることで、診療報酬としても決められています。救急だけでなく、地域や施設でも急な対応にとても参考になると思います。1,3月にもコースがありますので、受講されてみてはいかがでしょう?

また、このJTASを応用して、地域での要介護者の救急要請に要介護者の緊急対応-救急車はいつ呼ぶ?なぜ呼ぶ?という研修も行われています(https://medicalnote.jp/contents/180320-004-OE)。介護、ケアに関わる方々ともこのようなものを応用して共通言語ができれば、安心な地域ができるように思います。往診に早く来てほしい、というときには、赤と、他に急ぐ人がいるようなら少し待てるわ、というときには緑、等が通じればわかりやすいですし、心配も減るのではないかと思います。恵泉クリニックで行っている勉強会、烏山在宅医療連携塾でも2019年度に取り上げる予定です。乞うご期待!

《太田院長のつぶやき》「エンディングドレス」

救急医学会では、救命救急センターに搬送され、治療し、退院した後、1年後にどういう生活をされているか、という研究が発表されていました。社会との関係を保つことが難しくなることが多いそうですが、これはとても重要で、地域でも課題だなあ、と思いました。日々の訪問診療で、今以上に、生活、人生の質が上がるようにもっと気を配ろう、と思いました。

今日の訪問の帰りに商店街で「エンディングドレス」という白いドレスにかかっている札を見かけました。最初の「ウ」が見えなくなっているのだろうと思って近づいて見たら、そうではなく、その上に『 終活 』と書かれていました。

《太田院長のつぶやき》世田谷区の地区包括ケア会議に出席しました。

世田谷区の地区包括ケア会議に出席しました。

緩和ケアの話題でした。その人が大事にしたいことを聞く、最期までその人らしく生活できるように、精一杯生きるために支援する、などのお話を伺い、地域での緩和ケアはみんなで取り組む大切さとともに、実際に取り組んでいらっしゃる地域の多職種の皆さんのパワーアップを再認識しました。

グループワークでは、自分をわかってくれる人がいる、大切にされていると思える支援とは、というテーマでしたが、私が心がけていることといえば、握手する、何か気になることがあればすぐ、ケアマネジャーに担当者会議をお願いする、ことでしょうか。担当者会議の際に患者さんやご家族を囲んでみんなで写真を撮って、連絡先とともにお部屋に飾るのもいいかなあ、と思いました。

これから、地域緩和ケアチーム作り、に取り組んでみようと思います。

帰りの道すがら老婆心切という言葉を目にしました。

今週末は、癌と循環器の勉強会(http://www.c-linkage.co.jp/onco-cardiology2018/program.html)、日本在宅救急研究会(http://zaitakukyukyu.com/)、来週は日本救急医学会です。

太田祥一

第8回 患者様宅でのお誕生日記念

“お誕生日おめでとうございます。”
こちらのお宅ではご夫婦を拝見させていただいているのですが、そのご夫婦のお誕生日がなんと一日違い!
お二人そろって歳を重ねられるというおめでたい時に立ち会い、思わず記念写真をお願いしてしまいました。
お二人とも素敵な笑顔です。多くの方がこのように笑顔で過ごされるよう、寄り添って行きたいと思います。

第7回 AED解禁から10年経ちました

何気なく新聞を見たところ、自動体外式除細動器が一般市民も使用できるようになって10年が経つ、という記事を目にしました。
AEDを用いた心肺蘇生法については、医師、看護師から、コメディカル、スポーツ指導者や愛好者、等たくさんの方々にお話ししてきました。

駅などの公共の場にAEDが設置されているのはもはや当たり前の光景になってきました。これを公共の場所で一般の方が使用できるAEDという意味でPAD(Public Access Difibrillation)といいます。日本のPADは欧米より遅れて始まりましたが、その有用性は国際的にも認められています(Tetsuhisa Kitamura, et al: Nationwide Public-Access Defibrillation in Japan. N Engl J Med 362.2010,994-1004.)。
新聞によると、設置数が増えても、一般市民の使用率は3.7%(2012年)に過ぎないそうです。AEDで除細動された人々の1か月後の生存率が41.4%に上がっています。半数近くが生存されているというのはとてもすごい数字だと思います。一方で、現場で除細動されなかった人たちの1か月後の生存率は10.3%と低く、誰でもどこでもAEDを使える社会になってほしいものです。

AEDの普及には今までもいろいろな試みがされていますので、そのいくつかをご紹介しましょう。
救急医療財団では講習の認定AED設置場所の公開をしています。
講習も全国の消防署や日本赤十字社はもちろん、自動車免許取得時にも広く行われていますが、最近では自宅でDVDを見ながら人形を用いて実技も学べる自己学習キットも販売されています。私自身は、「サカイク」というサッカー少年向けのHPでスポーツ中に起こりやすい心臓震盪やAEDについてお話ししたり、キッザニアの病院パビリオンでのAEDを用いたアクティビティーのお手伝いをしています。

サカイクについての資料はこちら
キッザニア東京 期間限定「救急塾」イベントについての資料はこちら

また、AEDはレンタルすることもできます。その状況を調査すると、海水浴場やプール、マラソン大会等の季節的なテンポラリーなイベントで使われていました。このような使い方も有効だと思います(Shoichi Ohta et al: How, when, and where have rental automated external defibrillators been used in Japan. Journal of Cardiology 64.2014,117-120.)。
2020年の東京オリンピックに向けて、いざという時には誰でもどこでもAEDを用いた心肺蘇生ができるようになることが、一番のおもてなしではないかと思っています。

第6回 医療介護と地域

これからの医療介護は地域が中心となって進められています(地域包括ケアシステム)。核家族化、高齢化が進んでいるなかで、地域、コミュニティーの重要性が再認識され、それを大事にする時代が来ていると思います。この体制のなかでの救急医療を考える特集を担当しいろいろと勉強しました。具体的にどのようにコミュニティーを作っていくかは私の災害医療での研究テーマでもあり、いろいろなところで地域、コミュニティーが繋がっていけば良いと思います。

第5回 二つの訓練に参加

新宿区の災害医療訓練、東京都と杉並区の総合防災訓練に参加してきました。
都の防災計画変更に伴い、区の計画も変更され、いろいろなところで訓練が行われています。このような訓練は自治体だけでなく企業や町内会単位でも行われているようです。9月、10月には医師会、歯科医師会の先生方や看護協会のトリアージ研修会の予定があります。このように街の人々も医療従事者も災害対策に熱心に取り組んでいらっしゃいます。
地震などの災害発生超急性期には多くの傷病者が発生する可能性があります。けがをした人々は区があらかじめ決めている緊急医療救護所に行くことになっています。この緊急医療救護所は、都があらかじめ決めている災害拠点病院の近くに設置されます。そこには地区医師会の先生を中心とした医療救護班が駆けつけ、トリアージ、応急処置等が行われます。このトリアージで緊急性が高いと判断された方は災害拠点病院に搬送されます。
トリアージは災害時のとても少ない医療資源に対して、とても多くの傷病者(けが人、病人)に対応する際に、より多くの人が助かるように、つまり最大多数の最大幸福を得るために行なわれます。これをスムーズに進めるためには多くの人の理解と協力が必要です。
新宿区の訓練は実際に緊急医療救護所が設置される小学校で行われました。地域の方々が参加して医療救護所がどこにできるのか、そこで行われるトリアージとはどういうものなのかを熱心に勉強されていました。
皆さん、是非、最寄りの緊急医療救護所を調べてみてください。そして訓練があれば是非参加してみてください。大災害時には自助、共助、公助が必要とされていますが、自分自身や家族を守る応急手当を学んでおけば、救護所でボランティアとしても活躍できると思います。このように地域の人々の力が結集されればきっと多くの命が助かるでしょう。この地域の力は災害時だけでなくこれからの時代、社会にはとても大事だと思います。私ももう一度地域を見直し、地域に自分が何ができるのか、を考えてみたいと思います。

第4回 まだまだ勉強

在宅医療リーダー研修、緩和医療研修会、小児在宅医療研修会等の勉強会に行ってきました。いずれも医師会、厚労省、都が関わっている勉強会なので、その領域のエッセンスを系統的に勉強できることはもちろんですが、その領域の第一人者やこれから目指そうとしている方々と交流できるのもとても有意義です。これからはエビデンスを蓄積して在宅医療の標準的な診療ガイドラインとそれに基づいた教育が進めば良いと思います。今週末は認知症サポート医養成研修です。まだまだ勉強することがたくさんあります。

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